「ところでさ、この金魚、
7年前にお前が夏祭りで
掬ってきたやつなんだけど知ってた?」
家に来ていた亮太郎が衝撃的発言をした。
「嘘?!」
確かに金魚すくいの金魚を
飼っていたけれど、
行方不明になっている間に、
さすがに死んじゃってると思っていた。
2年生きているだけでも、
長生きだなと思っていたのに。
僕はてっきり、姉さんか誰かが
掬ってきたのと入れ替わってるんだろうな
そう、思っていたのに。
「本当だ。
しっかし、すごい長生きだよなー」
「本当、すごいね、君」
こいつ、少なくとも7歳なのか……。
その間ずっと1匹か。