よくいうあたしたちは“幼馴染み”という関係。
恋愛感情?そんなのない。
近いようで遠いような関係。
お互いの好きな食べ物や嫌いな物など、そういうくだらないことをいっぱい知っている。
汰月の好みは、色っぽい女性。
確か年上好き。
玄関での会話なんて、ただの冗談に決まってる。
「亜紀?」
「…何。」
「お前って、いつになったら振り向いてくれるわけ?」
「……はっ?」
振り向いてくれるわけ?って、一体何の事…。
さっぱり分からない。
汰月はただこちらを見つめていた。
「……やっぱり、良いや。」
「……」
あたしは何も言えなかった。