「・・・っつ・・・」



死、にはしないと思うけど・・・。
やっぱり抵抗があるのはまだ、弱いからかな・・・。




すると、コウが急に止まった。



「・・・すまん。」


一言だけ謝ってあたしを背から降ろす。



「・・・そっか、ありがと。」


前をみれば、懐かしい人。
その人がやけに細くて、弱々しくて、哀しくなった。







ちょっとだけ深呼吸して凛とした黒い瞳を見つめる。













「___鈴。また会えたね」


フワッと笑って見せた。








「・・・・王の命により、お前をここで殺す。」


行ってる言葉は刺々しいのに、力の抜けた口調。
哀しそうに、苦しそうに、
あたしに向かって何かを示しているようだった。





鈴が走ってきてあたしに振りかぶる。




咄嗟にジェルノアを構えるが、すぐに下ろした。
振り下ろされる剣をかわすだけ。



鈴も、そんなあたしを見て辛そうに顔を歪める。