その瞬間、力が入った。



「・・っつ・・・」

「うるさい。」


静かに、開けられた瞳には怒りが滲んでいる。




「・・・馬鹿なことを言うな。」


寝ころんだまま、あたしを見る。
睨まれているわけではないのに、威圧感がある。


「・・・っ何よ。本当のことじゃない。」


怯まない。
コレくらいで、ひるんじゃダメ。



「・・・あれは、違う。」


ちょっとだけ、哀しそうに言った。


けど、そんなの知らない。



「何が。一緒よ。」


ベットから抜け出そうとする。
が、腕を引っ張られてまた逆戻り。



「一緒じゃない。」


頭越しに囁かれる。
背中に、泉の体温を感じる。
衣服を通じていようと体が熱い。
体温が交わる。



「・・・、離して。そして出ていって。」


冷たくあしらう。
こうでもしないと自分にけじめが付かない。



「離さない。」


むしろ強く抱きしめられる。
一瞬、求めそうになる。



けど、


___求めてはいけない。