「もうすぐ、みんなが起きるよ。だから、笑って。」
空のひんやりとした指先があたしの頬に触れる。
「・・・うん・・。」
“大丈夫。”
空がそう言うだけで、大丈夫になれるの。
“笑って。”
なら、笑うよ。貴方が笑うなら。
「夢羽、大丈夫や。お前は強いで。」
ぺロリ。
あたしの顔を舐める。
「うん・・・。ありがと。」
コウを抱きしめる。
誰も失ったりなんかしない。
そう___誰も。
あたしの新しい決意を朝焼けが包む。
この手から、何も零さないように。
背中から、何も落ちないように。
拳をギュッと握る。
朝日が、あたしを照らした___。