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朝日が昇っていく。
日がさして、生きる者が活動を始める。
「・・そろそろだね。」
座りながらコウの背を撫でる。
「・・そやな。」
寝そべっているコウが少し頭を動かす。
前から歩いてきたのは、いつもとは何にも変わらない空。
その姿に、ちょっとだけ笑ってしまう。
「夢羽。」
優しく、あたしの名を言うことも何にも変わらない。
「何?」
フワリ、空が近づく度香る空の匂い。
それが、あたしを安心させる。
「いよいよだね。」
「そうだね。」
空が、あたしの隣に腰かける。
近づく距離にふと笑みが漏れる。
「無理、してない?」
「無理?してないよ?」
むしろ、落ち着いてる。
あたし、ホントに自覚してるのかな?って思うくらい。
「なら、いいんだ。」
微笑う。
ホッとした笑顔で。
あたしの肩を抱き寄せて頭に手を添える。
すぐ、近くに空の顔があって。
息が、髪にかかる。