☆★☆ 


朝日が昇っていく。
日がさして、生きる者が活動を始める。



「・・そろそろだね。」


座りながらコウの背を撫でる。



「・・そやな。」


寝そべっているコウが少し頭を動かす。




前から歩いてきたのは、いつもとは何にも変わらない空。
その姿に、ちょっとだけ笑ってしまう。



「夢羽。」


優しく、あたしの名を言うことも何にも変わらない。



「何?」


フワリ、空が近づく度香る空の匂い。
それが、あたしを安心させる。





「いよいよだね。」

「そうだね。」


空が、あたしの隣に腰かける。
近づく距離にふと笑みが漏れる。



「無理、してない?」

「無理?してないよ?」


むしろ、落ち着いてる。


あたし、ホントに自覚してるのかな?って思うくらい。



「なら、いいんだ。」


微笑う。
ホッとした笑顔で。



あたしの肩を抱き寄せて頭に手を添える。



すぐ、近くに空の顔があって。


息が、髪にかかる。