抱き合う、あたしたちを月が見ている。
まるで、夢羽が見ているようで___
罪悪感に襲われる。
「・・・闇。」
力では、ビクともしない泉の身体。最終手段として小さく、掌に闇を凝縮し吹き飛ばす。
「!?っ鈴!!」
__なにすんだっ!!そう、聞こえる。
怒りを含んだ瞳。
驚いた顔。
ねぇ、その瞳には誰が映っているの?
「・・・あたしに、触らないで。」
___罪が増えるだけ。
「・・・抱きしめたりなんか、しないで。」
___幸せなんかいらない。
「・・・間違えないでよ。」
___あの子が見てるの。
「・・・本当に愛したひとを、間違えないでよっ!!」
___あたしを、赦さないで。
「・・・・?鈴?」
そんな、わからないなんて顔しないで。
そんな、泣きそうな顔しないで。
あたしまで、
泣きそうになるじゃない。