あの日から、どれくらいたっただろう。



あたしは、いつも夜の空を見上げては。




貴方と同じ色の満月を見上げるの。




昼は、眩しくて嫌い。
太陽はあたしを忌み嫌うようにギラギラと照りつけるから。
あたしの罪を逃さないようにずっと、見張ってるようで。


だから、夢羽の髪が嫌いだった。
いつも輝いていて、あたしの黒髪とは大違い。闇をより一層深くするようにあたしの髪は黒く、黒く、染まる。


貴方とあたしのイロは正反対で、もどかしかった。
煌めく貴方は憧れで、憎しみの対象。




「・・・・・」

「おい、風邪ひくぞ。」


パサッと肩に何かがかけられる。



振り返らなくてもわかる。



「・・・泉、何してるの。」


前を見ながら言う。



「・・・おいおい、つめてーじゃねーか。」


おどけた調子であたしに笑いかける。夢羽が兄と呼んで慕っている人。



「・・・、うるさいわ。コノ時間くらい自由にさせて。」


懇願、まではいかないけれど強い願い。


いつも、いつも。



誰かに見られて、縛られて。






___苦しいの。