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「夢羽、ありがとう。」
愛華と陽太があたしに深く礼をする。
2人とも目には涙が溜まっている。
「そんな・・・。礼を言われるほどじゃないし。それに・・・またみんなでこうして話せてうれしい。」
へへっと笑う。
そんなあたしを見てまた、みんなが笑う。
それが、嬉しかった。
ここは、捕虜庫から随分と遠く離れた森の中。
薄暗いソラがこれからの未来を物語っている。
陽太が回りをキョロキョロと見て
「・・・鈴は・・・?」
と聞く。あたしは言わなければいけないと
口を開いた。
「・・・鈴は・・・鈴はね?・・・」
意を決して口を開いたものの、
何も言えない。否、言っていいのだろうか?
陽太も、愛華も、太陽も
3人とも鈴を信じてたし慕ってた。みんな鈴が好きだったし、仲間だと思ってた。
「・・・・」
「・・・夢羽?」
愛華も陽太も不思議そうに首をかしげる。