「・・った・・いよ・・」
愛華が太陽の名を呟き口を押さえる。
陽太も目をそらす。
変わり果てた友の姿。
深々と、手首に残っている牙の後。
まだ、紅い液体が流れ出ている。
「・・・っなんで・・・っここに・・・」
目を見開いてあたしたちを驚きを隠さないで見ている。
「・・・奪いにきたの。大切なものを・・・全部。全部。」
太陽の目から綺麗な、雫がぽとりと音を立てて堕ちる。
「・・・っ俺に・・まだ、残ってたなんて・・・」
自虐的に笑う・・・・
「・・・・・太陽、貴方の命をあたしに預けて？」
ゆっくり彼のトコロまで歩いて手を差し出す。
彼は、苦くけれど嬉しそうに笑い
「・・・・あぁ。」
あたしの、手をとった。
