コツン、コツン、
足音だけが響く。
冷たいコンクリート。
そして、黒く哀しい鉄格子。
「・・・声が聞こえる。もう少し、先だね。」
空が冷静に判断する。
みんなが苦い顔で前を見る。
___ここは、こんなにも辛いから。
無言で、歩く。
「・・・あぁ、・・・ココが。そうか・・・」
コツン・・。コンクリートにひとつ、足跡を残して。
あたりを見回す。
「タ・・スケテ・・クレ・・・」
「血ヲ・・・、おまエノ・・ちヲ・・・」
「・・・ココから・・出シて・・クれ!」
鉄格子から手を伸ばし、助けをこう。
みんな、下を向きただ歩く。