「・・・そ・・ら・・・」


テントの外に行ってしまった貴方の名を呼ぶ。




コウがあたしに向かって歩いてきたと思えば。


「・・・夢羽、寝ぇへんと体力もたへんで。」



そう言って鼻でお腹を押してベットに押し倒した。





バフ・・・





音を立ててベットに倒れる。





それがやけに哀しかった。









「・・・コウ。」


「なんや。」



「・・・・あたしの、記憶って無くされたモノなの?」



ずっと思ってた。


無くした記憶。




おばさんも、太陽も、みんなも




誰もあたしを知らなかった。





あたしはあそこで生まれたわけじゃないから。