「・・・記憶?」
不可思議な言葉。
何故、記憶が夢羽を苦しめる?
「・・・夢羽の失われた記憶や。」
「・・・・!!!」
___失われた記憶。
「・・・王妃様が消した記憶が夢羽の中に蘇ってきたんや。」
「・・・何故?」
記憶は失ったら戻らないはず・・・
「・・・時間や。それに、王妃様が夢羽の記憶を消したときは不完全だったんだろうな。」
「・・・不完全・・・」
じゃあ、夢羽は記憶を取り戻す・・・。
それは、俺の正体を知るってことか・・・・
「・・・・・・もうそろそろ夢羽が起きる。ココにおったれよ。」
「あぁ。言われなくても。」
夢羽を見る。
苦しみに歪んだ顔。
頭をきつくきつく握ってる手。
額にうっすらとにじんでいる汗。
全てが苦しみを物語っている。