「そうだ、それでいい。」
固まって動けないあたしに向かって微笑む。
「そのまま、俺を遠ざけろ。存在を敵とみなせ。」
一回口をつぐんで・・・
「・・・俺を殺せ。」
「・・・・え・?」
風が冷たく吹き抜けた。
何かを奪い去っていくようにあたしの中から『なに』かをとっていった。
「殺せ、残忍極まりないこの俺を。」
___相手の命を貪ってまでじゃないと己の渇きを癒せない残忍な生き物がいる。
___気をつけろよ、夢羽。
___あいつらは血を求めて人を殺す。自分が生きるために自分が強くなるために。
___だから、見つけたら逃げるか・・・
___『殺せ。』
昔、太陽があたしに言ったことが蘇ってくる。