夢羽が村からいなくなって、数日が経った頃。





「・・・夢羽、」



そう、愛しい君の名を呟いては自分を責める。






何故、あの時否定してしまったんだろう。





驚いただけ。





あの時、夢羽の変わってしまった異形の姿を見て驚いたんだ。



けれど、




夢羽にとっては傷以外の何でもない。






夢羽に傷を負わせてしまったことが悔しくて哀しくて、


何度も自分を責めた。










丘のすぐ近くに、



白銀の狐がこちらを見ていた。






何をするわけでもなく、ただ、こちらを見ていた。