幸せの音が響く

高村と南の悪口を言った奴、すげぇムカつく!!!!



・・・――あれ!?待てよ？


『今、男が苦手って言った!?』

「幸でしょ？それがなに？」

『それがって・・だって俺男だぜ？』

「だから？」

『だからじゃねぇよ!!男が苦手だって言うんだぞ？
おまけに信じられないって・・』

「だから諦めんの？幸が男苦手だって知って、俺には無理だって諦めんの？
あんたの気持ちってその程度？
そんなことぐらいで揺らぐ気持ちなら幸を好きとか言うなッ!!目障りなんだよ!!」

『・・・』



南の言葉が見事に胸に突き刺さり俺は黙ってしまった｡

そんな冷たく重い空気の中、佐伯先生が優しく「南・・」と言葉をかけ南の頭をポン―と撫でた｡


「あんた本当に幸のこと好き？」

『うん』


俺は迷うこと無く答えた。　


「今の話聞いてどう思った？」

『ムカついた。高村が辛い思いしたって知ったら苦しくなった』

「なら、幸に普通に恋愛出来るってこと教えてあげてよ」

『・・出来るかな？俺が・・』


まだ話の続きがあるのに、南が口を挟んだ｡


「出来るかな？じゃねぇ!!やるなら死ぬ気でやれッ!!!!何のために幸の傷を教えてやったと思ってんだよ!?」

『やる!!やるけどっ、色々考えるところがあるだろ!?』

「はぁ!?ちっぽけな頭で何考えんだよバカ!!」

『バカじゃねぇ!!
それに、何のためって何のためだよ!?』

「分かんないなら尚更バカだな!!
あんたの為に言ってやったんだろ!?」

『俺のため？』

「あんたが勢い余って幸を傷付けないためだよ!!
何にも知らないまま幸に近づいて、知らぬ間に幸を傷付けて嫌われることもあるって言ってんの｡
まぁ、あんたが嫌われてボロボロに傷付こうが私には関係無いし知ったこっちゃないけどね｡
でもッ、あんたが原因で幸が傷付こうもんなら、あんたを本気で殴るよ」







何なんだ、こいつ｡


言ってることメチャクチャなんだけど？