草の上に腰を降ろし、並んで座った。 菜々の茶色い、セミロングの髪が風に揺れる。 「兄貴は……」 「ん?」 「兄貴は、菜々の髪それぐらいがいいって言うてたけど…」 「うん」 「俺は、短い髪が好きや」 「…それは、雄輝の好みやろ。 あたしは、この長さが好き」 やっぱり、望みナシ…か。 菜々、兄貴と居るときの方が、楽しそうやもんな。