「早よ乗らな、乗せたらへんぞ」


「えー!? 今日は、めっちゃえぇ天気!雄輝のおかげかなあ?」



ほんま……、コイツは。



「菜々ちゃん、そんなヤツのチャリ乗らんと、俺の乗れや?」


「クソ兄貴、遅刻やぞ」


菜々が答える前に、俺は言った。


「いちいちクソ付けんな。よだれのあとつけて」


「嘘やろ!?」



赤面したのが自分でも分かった。



「嘘や。アホ」


「ふっざけんな!」


「じゃあなー」


チャリンコを軽快にこぐ、兄貴。