「あたし、雄輝が好き」



…先越されてもーたわ。



「ごめん。俺、菜々好きちゃうねん」


「そっか…」


「泣きそうな顔すんなや…」



俺は菜々を抱きしめた。



「俺、菜々のこと大好きやし」



「…っ。雄輝っ!」



菜々は俺の腰に手を回し、キツく抱きついてきた。





芝生に映る、高さの違う2つの影は、そっと重なり合った。





【完】