柚希って、

生まれてからずっと
こうやって
痛いこととか苦しいこと
乗り越えてきたのかな。

「はい終わりー」


テキパキな吉岡先生だから、
かなり速かったと思う。

それなのに、
すげー長く感じた。

結局、
一気に1リットルも水が抜けて
状態の悪さを思い知る。

力なくバイバイって
手を振る柚希。

部屋を出ると
吉岡先生に背中叩かれる。

そうだよな。

オレがしっかりしないと…




夜、

消灯時間を過ぎた暗い廊下。

仕事がひと段落ついて、

やっと柚希の部屋へ。


オレに気付いた柚希。

まだ起きてた。


「おつかれさま」


小さな声。

ちょっと弱ってる?

額に触れると、
じんわり汗かいてるし。


「…どした?」

「…大丈夫だよ。
 水抜けて楽になった。」


確かに、
酸素大量に吸ってたのが
少し減らされてるけど…

大丈夫ってホントかよ!?