「柚夏。おはよう。」
病院の 入口を
出てすぐの
ところで
そう 言ってくれたのは
佑。
佑は 制服を
着て、部活のバックを
持ってて…
佑は
学校に 登校する前に
必ず 来てくれる。
『おは よ』
「学校、行くの?」
そう 問う
佑に 目を合わせないで
小さく 頷く。
養護学校…。
結局、
そこが私の学校。
「気をつけてな。」
また 小さく頷く。
車に 乗せてもらって
スモーク張りの
車内の窓から
佑を見る。
登校前だから
忙しいのに
いつも
病院まで 来てくれて。
下校後も
必ず病院に
寄ってくれてる。
部活の後も。
疲れてるはずなのに。
でも 私は
片言しか 話せなくて。
嫌われないかな。って
いつも 思って、
佑と 目すら
合わせられない。