下げていた
頭を ゆっくり
あげると
咲と 目があった。

咲は
泣いていた けど
咲に 思い切り
微笑むと
咲も 泣きながら
微笑んで くれた。



『この クラスが
大好きでした。』

本当に。好きだった。

卒業だって
したかった。

たった 2年の
高校生 生活だったけど
楽しかった。

最後に もう一度
ゆっくりと
教室を見渡し、
教室を出ようと
車椅子の向きを
変えた時、


「柚夏ちゃん!」
「柚ちゃん!」
「崎野!」

クラスのみんなが
私の名前を
呼んでくれる。

びっくりして
首だけ
クラスメイトの方を
向けば

涙まで流して
くれてる子もいて、

私。幸せだなって


一人じゃない。って
思えた。





でも
私が 学校を
辞めるのに
変わりはなくて


『みんな、ありがと。』

そういって
もう一度 微笑み
車椅子を
自分で 押して
教室を出た。