「結衣」


「あぁ。今更聞いてもどうでもいいね。
ごめんなさい・・・
好きだなんて・・・言ったって迷惑なんだもんね」


「結衣!」


俺は結衣を抱きしめた。


細いからだを壊してしまうほどの強さで


抱きしめた。



「痛い。
ねぇ。離して。
帰りたいの」


「・・・。」


「自分でお金は払うから・・・
帰らせて・・・
智哉のとこに帰らせて」


「嘘つくんじゃねぇ」


「・・・。」


俺は結衣を離した。


「結衣。
結婚してくれとはまだ言えない。
お前から・・・
本当に智哉って奴が消えるまで待つから」


ごめん。


こんな俺でごめん。