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「結衣」


結衣に声を掛けると、結衣はまた走り出そうとしていた。


「外国は危ないんだぞ!
ただでさえ・・・暗くて細い道・・・」


「関係ないでしょ!
私がどうなろうと・・・」


「・・・結衣」



俺は手を掴んだ。


結衣はそれをものズゴイ勢いで振り払った。


「荷物まとめて出て行くつもりだった・・・でも冬芽さんがどうしても・・・って」


「・・・結衣?」


「あ、ありがとう。
今まで楽しかった。
あと・・・
ルームサービスありがとう」


結衣は泣いていた。

俺は気づかないフリをした。


「私、和食も洋食も好き。
でもどちらかと言えば・・・和食。
似合わないでしょう?よく言われる」