「・・・怖いですね君」


「君ではありません。
瑠唯ちゃんです」


何でニューヨークまで来て、変な女に絡まれなきゃいけないんだよ。


「私とあなたはキョウダイです」


「キョウダイ?」


・・・何か、変な空気だな。

こんなにニューヨークで空気悪かったっけ?

イイヤ。そんなはずない!


「あなたの大嫌いな。
紫(ゆかり)さんが私の母親」


俺は今やっと、母親の名前を思い出した。


紫だった・・・。


「おい!冗談は」


「心中しました。
私を生んだ後・・・父の清(きよし)と母の紫は・・・
心中しました。それでも嘘だと言うのですか?」