「誰かを本気で愛すか・・・」


俺は思い出せない顔を、無理に思い出そうとしていた。


母親・・・か。


他の男と恋に落ち

心中した馬鹿な母親。


「何を深く考え込んでるんですか?」


いきなり顔を覗かれた。


「はぁ?」


「良かったー日本人だった。
私、双山瑠唯(そうやまるい)です」


いや。誰も自己紹介しろって言ってないし。


「あなたは?」


聞くんじゃねーよ。


「俺は・・・」

「皇堂光芽さんでしょう?
私、実は知ってるんです」