その日の帰り道。
私は秀くんと待ち合わせして、一緒に帰ることにした。
夕日が秀くんの髪をオレンジに照らす。
その横顔に見とれてたら、優しい微笑みがこっちを向いた。
「ねっ、週末どこ行こっか?」
「歩の行きたいとこでいいよ」
でた。
「だめ。秀くんが行きたいとこ言ってよ」
「えっ、あーそうだなぁ。うーん。どっかあるかなぁ」
秀くんは困った顔で、後ろ頭を触った。
出てこないんかい。
はぁ、まぁいっか。
「じゃあ水族館」
私が諦めてそう言うと、
「おっけ。じゃあ調べとく」と笑った。
ああ、やっぱり好きだなぁ。
もう心配ごとなんてどうだっていいや。
「ふふ」
「何?」
秀くんはいつものように、きょとんと首をかしげた。
あたしは「何でもない」と秀くんの腕に腕をからませた。