「何、どしたの?間宮とケンカでもした?」
「ううん。逆。秀くんね、全然怒らないの。
私が何しても何言っても優しくって、ケンカになりそうになっても、ごめんって先に謝っちゃうの。私が一方的に悪い場合も、謝っちゃうの。
だから何か私、自分で自分が嫌になっちゃって…」
「何言ってんの。いいじゃん!争いはないほどいいよ?
それに、敏也と間宮じゃ違うって。比べちゃダメだよ。平和主義なんだよ、間宮は」
「うーん」
私の頭の中には、ライオンの着ぐるみを着て、お肉にがっついてる敏也くんと、
羊の着ぐるみを着て、草をもしゃもしゃ食べてる秀くんの姿が思い浮かんだ。
「…確かに。比べちゃダメだね」
「そうだよ。何も気にすることないって」