新菜はキャバ嬢ではないから,本
当は送り迎えの車なんてないけど,
それもあたしがチップを渡して
一緒に送ってもらうように俊ちゃんに頼んでいるのだ。

俊ちゃんは年下だけど,頼りになるし,
いい奴だ。

仕事仲間だが,普通の男友達のようだ。
同じ関西出身というのもあって,
店にいるとき以外はお互い関西弁の素になって話す。

店から近い新菜のマンションへ行き,
新菜を送り届ける。

そこからあたしの家まで10分程度,
二人きり。

かといって何かあるわけでもなく送ってもらう。
あたしたちは決してそんな仲に発展しなかった。

「愛海さん,お疲れっす」
「お疲れー。ありがとね,俊ちゃん」



帰ってきたら3時。
部屋着な着替えてすぐ寝る。
ようやくあたしの1日が終わる。