とりあえず二人を席に案内して,あまり関わりたくなかったあたしは他のメイドに頼んで注文を避けた。

なのに・・・

「アミたん。あのご主人様タチが呼んでますよ?どうしてもアミたんがいいって・・・。」

アミたんというのはメイドの名前。
萌えネームだな。うん。

てか!!関わりたくないのになんで?
あたしは渋々二人のテーブルに向かう。

「・・・ご注文は?!」

いらいらしがちに,まったくメイドキャラにならずに聞いた。

「ちょっとーお客さんや言うてるやん。ちゃんとメイドなってぇや!!高い入場料払ってんねんからさー」

確かに・・・メイド喫茶って高いんだよね。
いればいるほど料金が上がってくシステム。
キャバクラと一緒じゃん。
・・・ってそうじゃなくて!!

「やったら他の子頼んでやあ。恥ずかしくて無理やわ」

新菜はまだいいけど・・・優輝がさ・・・
メイド初体験ってのもあってめっちゃきょろきょろしてるしなんかヘンなんだもん。

「じゃあさ。他の子に頼むから,終わったらメシ行こ?待ってるし。」

優輝がいきなり言ってきた。
・・・そんなんでメイドキャラしなくていいなら・・・

「わかった。じゃあ他の子に頼んでくる」

そうしてあたしは優輝の前でメイドキャラをしなくて済んだ。
でも・・・他のお客さんの前でメイドキャラしてたのをガン見されてたのは言うまでもない・・・。