「連絡先聞かれたん!?
ちょーなんなんその急展開!!」

昼休み。
食堂で新菜とお昼ご飯を食べながら
さっきの報告。

「でもあの人相当軽そうよ。
赤外線で送っただけだから
あたしは向こうの連絡先知らないままだし,
また連絡するって言ってたけど
未だあたしのケータイ着信ナシ。メールナシ。」

あたしは学校内なので
お嬢様キャラのまま新菜と話す。

「しかもあたし普段4つの顔使い分けてるじゃない?
でも新しく知り合った人にどの顔で接したらいいのかわかんなくなっちゃったからテンパってうまく話せなかったわよ。
とりあえず聖安女学院の生徒って言ってるから,
学校での顔で通したけど…」

「ははっ!!最近使い分け激しいもんなあ。
でもさ,緊張したからうまく話せなかったんちゃうん?」

「まさか。
確かに緊張はしたけど
新菜が期待するような緊張じゃないわよ。
あたしが普段相手してる男って,
メイドのときのヲタか,
キャバのときの金持ちのおっさんじゃない?
だから久々に同世代の男としゃべったから,
戸惑って緊張してうまく話せなかったねよ」

そう。
ほんとそれだけ。

だって正直,ヲタやおっさんも馬鹿にしてるあたしよ?

あんな軽い大学生も馬鹿にしてしまう対象よね。