次についたお客様は
ヲタク系サラリーマンの小木さん。
30歳独身。
だからキャバクラに通うお金もある。

どちらかといえばキャバクラより
メイドカフェの常連によく見るタイプだが,
彼はキャバクラでのお客様。

メイド歴がキャバ嬢歴より長いあたしは
この手の男の扱いが得意なため,
彼はよくあたしを指名するようになった。

「アイミちゃん…今日もかわいいね…。
ほんといつ見ても僕の大好きなアニメキャラの
ミーちゃんにそっくりだ…っ」

小木さんが息遣い荒げに言う。
これが彼にとって最高のほめ言葉なのだ。

「ありがとう小木さん!!
アイミとーってもうれしいにゃんっ」

ミーちゃんというアニメキャラは
語尾が『~にゃんっ』と言う喋り方。
あたしはメイドでそれを知っていたので
そのキャラに成りきって答える。

小木さんはそれで満足する。
キャバクラよりメイドカフェ行けばいいのにね。