「いらっしゃいませ。
ご指名ありがとうございます。
失礼いたします。」

あたしは指名をくれた男の横に座り,
たばこを手にしたのでさっと火をつける。

「日向社長,お久しぶりじゃないですか?」

この人は店の常連さんで,
いつもあたしを指名してくれる。

36歳にしてIT企業の社長さん。
賢そうな顔した男前で,大人の男!!
ってかんじ。

ただ自信過剰なとこがなかなかの曲者だ。

「最近忙しくてね。参っちゃうよ。」

お酒を作りながら,日向社長の愚痴まじりの自慢話を聞く。
社長は話したがりだし,おさわりもないから聞いてるだけで満足してくれるから楽だ。

15分くらいして…

「アイミさん,ご指名です」

俊ちゃんとは別のボーイに呼ばれた。

「社長,ちょっと失礼しますね。」
「また戻ってきてね」
「もちろん」

あたしは日向社長の席を外し,次の指名の入った席へつく。