「部屋、戻ろうか。」

「…はい。」

立ち上がった私の目の前に、差し出された小さな箱。

「誕生日、オメデトウ。」

そう、日付が変わり今日は私の誕生日だった。

「これからは毎年、一緒にケーキ食べような。」

「…はいっ!!」

受け取った箱には、日曜に二人で行った宝石店のリボン。

「ありがとうございます。私、本当に……。」

またギュッと抱き締められる。

私の落ち着く場所。

私だけの特別な指定席。

「ケーキの前に、美波が食べたい。」

「…んんっ、もう!!」

これが私達の、愛のカタチ。



~END~