瀬戸さんの部屋は忙しさを物語るようだった。

キッチンには洗い物が溜まり、ワイシャツが脱ぎっ放しのまま置いてある。

洗濯機を回し、キッチンに立つ。

家の中を片付けても、瀬戸さんは嫌がらない。

むしろ、助かるよと喜んでくれる。

キュッキュッとグラスを洗いながら考える。

私達の間に、何があるのか。

感情など存在するのか。

確かに一緒にいると楽しい。

気も遣わない。

…ただ楽なだけ。

少し酔った彼が帰って来たのは、11時を過ぎた頃だった。