受け取った名刺には『カメラマン 野口修吾』とあった。

「野口先輩、カメラマンなんですか!!」

今度は照れくさそうに笑う。

「まあね。好きでこの業界に入ったけど、それなりに頑張ってるよ。」

知り合いと立ち上げたこの会社は今のところ順調だと言う。

そうだ、昔から野口先輩写真を撮るのが好きだった。

試合や合宿の時によく撮って、みんなに配っていた。

どれも、その時々の楽しさや真剣さが写し出されていた。

「スタジオは、隣りの部屋にあるんだ。
今度林さんと一緒においでよ。興味があるなら見学OKだよ。」

そして私も自分の名刺に携帯番号を書いて渡した。