「シャワー浴びてくるね。」

まだ横たわる彼に声を掛けた。

「ん…。」

うつぶせのまま、顔をこっちに向けたその人。

色白な肌が、薄暗い室内でも見てとれた。

少し色素が抜けたような長めのブラウンの髪。

筋の通った鼻。

笑うと下がる瞳も、彼が『いい男』と呼ばれる要素に違いない。

社内での信頼も頼りにされる面倒見の良さも、女子社員達の人気に比例している。

そして優しい。

そう、きっと、誰にでも。

彼の優しさを肌で感じられるほど、身体を重ねた後にいつも思う現実。

―――でも彼は恋人ではない。

そう…私達の関係を言葉で表すなら。

セフレ。

セックスフレンド、だろう。