「ただいまー」

玄関の扉を開けると飼っている犬の「きゃんでぃ」が抱きついてきた。

白いチワワで我が家のアイドルだ。

「あら、おかえり和。
学校はどうだった?」

お母さんが台所から出てきて声をかけてくれる。

「うん、楽しかったよ!」

「お友達も出来たの?」

「まあ柚子と桃甘とばっかり居るけどね!」

「まあ、仲いいのね♪
輝真くんはどう?」

でた・・・輝真かよ。

あたしのお母さんは輝真が大好きだ。

「うん、一緒のクラスだよ」

「そうなのー!!!じゃあ仲良くしなきゃね♪」

家同士の付き合いまであってこれ以上何を仲良くするんだろう。

と一瞬だけ考えたけど、輝真のことなんかどうでもよかった。

「どうでもいいよー。
輝真なんてっ」

「どうでもいいとはなんだよ。」