「ねえ、輝真はなんで佐波高校を受験したの??」
試験当日に、輝真があたしと同じ高校を受けることを知ったあたし。
輝真は頭もいいから、もっと上をいくと思ったのに。
「・・・。」
輝真はちょっと驚いたようにこちらを見ると、すぐ前に向き直った。
「ねー、なんで?」
なかなか答えを言わない輝真に、あたしは輝真の腕を揺らす。
「近いから」
やっと出てきた答えにびっくりしたあたしは、なぜか笑ってしまった。
「あははっ!だよね!
てか佐波高校でトップ狙うのも良い選択だしね♪」
あたしの言葉に若干輝真はあきれた口調で、
「鈍感なやつ。」
でもあたしは聴こえなくて、
「え?何?」
と聞き返した。
「なんでもねーよ。」
結局そのまま輝真とは別れた。