無意識に涙が出た 「雅氷……あたし行ってくるね」 涙が出て上手く言えなかった バカだね。泣くなんて 玄関で靴を履いてドアノブに手をかけた 「え……」 あたしは後ろから雅氷に抱きしめられていた 「雅氷……」 「何泣いてんだよ」 「泣いてないっ」 「すみれ…ごめん。やっぱり我慢できない。オレ、すみれが好きだ」 最後の言葉は聞き取るのが難しいくらい小さかった 心拍数がかなり上がった 雅氷はあたしをぎゅっと抱きしめた