「音楽の先生、やってみない?」 「先生…ですか」 「父が明涼学園の校長でね、音楽の先生が産休でいないんだって」 それで私が? 「それなら、加藤さんがやればいいじゃないですか」 「私にはピアノ教室があるから」 申し訳なさそうにあたしを見つめた この顔見ると断れない 「いいですよ。たしか明涼学園って…高校でしたよね」 「えぇ、そう。歳も近いし上手くやれるわ。才能もあるし」 私はどうやら先生になるみたい