「キス、しちゃう?」


藤本くんの問いに、首を横に振る。


「へぇ…?上原とはしたのに?」


また、突かれた。あたしの胸の奥、大事なところ。


「そ…れは…」


顔を上げてせめてもの抵抗。


―――――…


その瞬間…2人の唇は重なり、それと同時にチャイムが鳴った。


廊下側一番後ろの席にいる翔太は、一番早く教室を出る。


――翔太に見られる。


自分からやましいことはしてない。


でも…これじゃあ藤本からのキスを受け入れたのと同じ。


「か…れん……?」


予感的中。


翔太に見られた。


藤本くんは、まだキスをやめない。


「おい!藤本」


翔太、完全にキレてる…。