「じゃあ、昂って呼ぶね」
もうすぐ昼休みも終わりだ。
持っていたお弁当と、サイダー3本を飲んで、お互いすっかり仲良くなった。
「ハズい………てゆか、女に名前呼んでもらうの初めてだし……」
「えぇ!?そうなの?」
私が大げさに驚くと、
「なんか皆川さん…初め会った時の印象と違う」
「そぉかな?」
「うん。なんか…かわいらしい」
“かわいらしい”その言葉に、顔がぼっと赤くなる。
「そんなことないよ」
「いやいや、かわいいよ。会った時よりもずっと」
かわい…くはないと思うけど、
でも、何でだろ。昂の前では“素”の自分でいられる…。