「お前だよ」
「………………………………………は?」
お前?あたしは周りをキョロキョロ見る。
後ろには友達の凜がいる。
「………はっ!凜!!コクられてるよ!!」
凜は呆れ顔であたしを見る。
え?なんか間違えた??
「ちげーよ」
「違うの?誰??」
もっ…もしかして……。
「菜々子でしょ?ウワサになってるよ」
「アホか!!」
上原翔太はあたしの頭を軽く叩き、顔を近づけた。
一瞬、頭がからっぽになって、気づいた時にはあたしの頬に唇が触れていた。
「俺の女になれよ」
耳元で囁かれる声。
「遊び人の手!?」
そうだ、そう言ってあたしの気を引こうと…。
てゆか、コレ何気にファーストキスなんだけど!!
でも…嫌じゃ、なかった。
「俺、河川花恋ってゆーバカな女が好きなんだけど」
河川花恋…?え、えぇぇぇぇ!?
…あたし?
「あたし………じゃないよね?」
「バカって言ったらお前しかいねーだろうが!!」
本当なんだ…?なんか、騙されてる感が…。