『お前はリースだろぅ?』


ビクッ!!



入った瞬間、奥から不気味な
気持ち悪い声が聞こえた



洞穴の中は
海の生き物の死骸だらけ。
まるで…
飾ってあるように…


吐き気がするわ…



『もっと奥においでぇ…』


死骸のカーテンを抜けると
苔の生えた大きな大きな
貝が現れた



貝がパカッと開くと中に
…魔女がいた…



緑の皮膚に鱗が生えて
ピシピシと音をたてる
それすら恐怖への序曲だと思わせられる


くすみ、痛みきった
紫色の長い髪



ユラリと動き
私の背後に移動して
耳元で囁く



『何も喋れないか…?
怖いのだろう?
ワタシが…この魔女が!』


「…ぅ…」


魔女の手が私の首に触れる


『ワタシはなぁ…
大好きなのだよ…
恐怖に震えるお前のような
美しい人魚がっ!!
憎くて憎くて憎くて
操るのが、だぁいすきさぁ…』



……怖い……