顔を見上げると……







『雫……』

雫だった。


『香穂!?あんたこんなとこで、一人で何やってんの!?南都は!?』



『あぁ……蓮…蓮はね……』

どうしてだろう……言いたいこといっぱいあるのに、口から何にも出てこない……
代わりに出るのは、目からの涙だけ……体が……熱い……


『ちょっと香穂!?どうしたの!?』


『しずくぅ……』


わたしは雫の名前を呼んだところで、意識を手放した……。