助手席から見る彼は
昨日よりずっと大人に見えた

少し寝癖がついた後ろ髪だけが
幼く見えた


『せっかくの休みなのに彼氏とデートしないの?』

リョウがパスタをを口に運びながら聞いてきた

『いないですから』

『そっか。あと敬語じゃなくていいから』

今度は私が聞く

『ホストって、休みの日もお客さんと過ごすの?』

『ん?俺はしない。休みは休む事にしてるから』
『ふーん』


パスタ屋さんを出て
また車を走らせた


『ありがとう、パスタおいしかった』

『うん』


リョウの笑顔はやっぱりどこか切なく見えた


もう少しで私のマンションに着く

まだ、別れたくなかった