『今度さー、水族館行こうよ』

リョウが雑誌を見ながら言う

最近普通のデートをしていなかった

『…変装しないとね』

私はポツリと言った

『何で?』

『もしリョウのお客さんに見られて、お客さんが切れたら困るもん』


『…なんか聞いたの?』

『No.落ちたって、ゴウくんから…』


『そんなの、気にするなよ。営業が足りなかっただけだから』

リョウは私を抱き締めた

『…水族館、行こうな』

『うん…』



リョウの腕の中は

いつもあったかくて

自分の冷たさを

思い知っていたよ