さやかと私がタクシーに乗ると
リョウも乗って来た

『じゃあお疲れ、ゴウ』
『お疲れ様でした。じゃあねーさやかちゃん、綾ちゃん』


『ねえ、一緒にタクシー乗ったけどいいの?ゴウくん変に思わない?』

私は心配になって聞いた
『大丈夫、あいつは信頼出来るやつだから。綾の事も言ってあるし』

『えっ、そうなんだ。』
意外だった

ゴウくんはそんな素振りひとつも見せなかったから

『ありがとうございます、なんか今日は酔っぱらっちゃって。綾に無理言ってリョウくんのお店来ちゃって…。お会計も…』

『気にしないでいいよ、こんな日もあるさ』

リョウは優しい

さやかの目は潤んでいた
好きな人が優しくて、心があったかくなった

さやかを家まで送って、
その日はリョウの部屋で眠った



この日の光景を見られていた事は
後になって知ることになる