「あー、そーですかー」

なんだろう、何故だかやさぐれている。
別に、触りまくった事を忘れてる訳でも
島津さんの存在を忘れてた訳じゃないですから!

そんな事も追加して、さらに訴えてみた。


「……解りましたから。
 朝っぱらから、そんなに叫ばないでください」

はぁ……とため息をつきながら、
彼は俺の頭をぽんぽんと……


「え、なんですか、これ」

「?何がですか?」

このやりとり、逆の立場で
つい最近した気がする。



「指が通らないんですけど!」

彼の指は俺の髪に刺さったまま……あ、

「そういえば今日は、
 髪を梳かしさえしていませんでした」

しかも昨日は髪を乾かさずに寝た気がする
そりゃ、絡みまくっててもしょうがない。

どれもこれも、アンナに早く会いたくて
俺が俺を急かしているからだ!


指を突き刺したまま、
島津さんは無言で俺を見ている。

「……お願いですから、
 そんな蔑んだ目で見ないでください!」

明日からちゃんとしますから!